やさしい中医学講座

生薬散歩 

◎半夏(ハンゲ)                           
半夏はサトイモ科カラスビシャクの塊茎の外皮を除去して乾燥したもので、
辛味やえぐみが強く毒性があります。中医学的には脾胃経に入り、
燥湿化痰、降逆止嘔の良薬です。つまり温めて水湿を乾かし、逆気を下し、
胃気を和します。半夏の毒性を弱めるために生姜が共に処方されますが、
これは止嘔の効果を強めるだけでなく飲みやすくします。吐き気や悪阻の時に用いられる
「小半夏加茯苓湯」は胃内に水分の停滞があり、胃気が上逆するのを収めます。
心下部につかえがあり食欲がない時や二日酔い、胸やけやゲップの症状がある時には
黄連や黄れんなどの清熱剤と組み合わせた「半夏瀉心湯」が効果的です


ハンゲ

◎杏仁(キョウニン)
キョウニンは中国が原産とされるバラ科アンズの種子ですが、薬性は辛温、
苦味があります。
肺経に入り、風寒痰湿を疏散し、止咳平喘に働きます。熱邪には清熱薬と、
寒邪には温熱薬と、表邪には解表薬と、燥邪には滋潤薬と組み合わせて、
様々な証に処方されます。咳の漢方薬として用いられる「麻黄湯」、「麻杏甘石湯」や
「五虎湯」の成分となっています。
また油質に富み、滑腸通便の作用があるので、便秘薬の「麻子仁丸」や「潤腸湯」の
中に入っています。
種子の構成成分の30-50%が脂肪油で、他にアミグダリンが含有されています。
有毒のシアンを含まれていますので、多量に用いると危険です。(30・09・2004)



◎辛夷(シンイ)                  
シンイはモクレン科のハクモクレン、シモクレン、タムシバ、コブシなどの花蕾で、
開花直前の蕾を陰干しにしたものです。シトラールやオイゲノールなどの精油を含み、
芳香性があり、かむと辛味や苦味があります。
中医学的には肺経に作用して風寒を散じ、鼻を通じるので、鼻カタル、蓄膿症、鼻炎に
用います。またシンイの辛温芳香性は、風邪による頭痛に適しています。
シンイは漢方薬では、鼻腔の炎症を伴う風邪に処方される「葛根湯加川キュウ辛夷」や
蓄膿症に処方される「辛夷清肺湯」の構成生薬のひとつです。
民間薬では、シンイ2-5gを1日量として煎じ薬にして、花粉症による鼻閉、鼻汁や頭痛、
アレルギー性鼻炎、蓄膿症に、またシンイ末を鼻中に直接吹き込んで、くしゃみをさせる
ことによって鼻閉の改善に用います。(26・01・2004)



                    
◎生姜(ショウキョウ)・乾姜(カンキョウ)
ショウガは古くから、日本や中国、ヨーロッパで香辛料や薬用として多く利用されて
きた重要な植物です。
生姜はショウガ科ショウガの新鮮な根茎で、味は辛く体を温める働きがあります。く
ず湯に入れて飲むと風邪の予防になるばかりではなく、風邪の初期では、発汗作用に
より悪寒・悪風を取り除き、解熱効果があり、早期治療に有効です。また、胃の冷え
による悪心・嘔吐がある場合、半夏などと一緒に用いて吐き気を止めます。ショウガ
の根茎を蒸して乾燥させた乾姜は、温める作用が更に強くなり、お腹が冷えて痛む時
や、不消化性の下痢や嘔吐などに、また肺の冷えによる痰の多い咳にも用いられま
す。 (12・11・2003)


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