やさしい中医学講座
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| 中医一口メモ |
| ◎胃炎の漢方薬 西洋医学で消化器官にあたるものは、中医学では脾胃と呼ばれる臓腑です。 脾は食物の消化・吸収を主り、栄養分(水穀の精微)を全身に運ぶだけでなく、 水湿の運化を行ないます。そうすることによって血液を正常に運行させ、四肢や肌肉を養い、 体を精力に満ちたものにします。 脾胃の働きが悪くなると様々な症状があらわれますが、ストレスによって起こる神経性の胃炎には 「四逆散」、慢性的に胃腸が弱く、胃部の不快感や下痢などを伴う場合には「六君子湯」で胃腸を温め 余分な水湿を除きます。又、食べ過ぎによって起こる食滞性のものには「平胃散」で胃の働きをよくし、 下痢や嘔吐がある時には利水作用もある「胃苓湯」を用います。胸やけなど胃のつかえ感がある場合には 「半夏瀉心湯」、冷えによる痛みが伴う時には「安中散」がよいでしょう。(20・05・2005) |
| ◎咳の漢方薬 咳嗽は、六淫の外邪が口や鼻、皮毛を通して肺に侵入し、肺が正常に機能しなくなること によって起ると考えられています。肺は自然界の清気や穀気を吸入し、それらを津液と共に 全身に送り、一方では体内で不要となった濁気や水分を呼気や汗、尿として排出していますが、 これがうまく働かなくなると咳や痰、喘息などの症状が現われます。 風寒によって起る咳で、薄い痰が多く出る場合には、「麻黄湯」や「小青龍湯」を用いますが、 これらの漢方薬には発汗解表、散寒作用のある麻黄や桂枝の他に、止咳作用のある杏仁 (麻黄湯)や五味子(小青龍湯)が入っています。風熱が病因となって起る咳では痰が黄色で 粘稠性がありますが、この時は肺熱を冷まし、津液を生じる清熱、滋陰作用をもつ「麻杏甘石湯」 や「清肺湯」が効果的です。風邪や咳が長引いて津液が涸渇して起る、乾燥性の咳や 夜間の空咳には生津、潤肺作用のある麦門冬などが入った「麦門冬湯」や「滋陰降火湯」が よいでしょう。 本治療法としては、肺の母である脾の機能を高める目的で「六君子湯」や「補中益気湯」が しばしば用いられます。(30・09・2004) ◎花粉症の漢方薬 中医学で花粉症は、外因の邪としての風邪が呼吸器官や皮毛を通して肺に侵入すると 考えます。そして肺気虚により津液の停滞が起り痰湿となり、呼吸器粘膜の周辺の障害 を起こします。またこの痰湿は脾胃の気虚とも相まって、体のあちこちで痰飲による症状 が表われます。鼻水、鼻閉、くしゃみ、目の痒みや流涙、赤眼、頭痛などの他に、食欲不振、 疲労倦怠感もみられます。 風邪が寒を伴っている場合は、体を温めて発汗により湿をとり除く辛温解表・温肺化痰 作用のある「小青龍湯」が代表的な薬です。冷えや悪寒が強い時には「麻黄附子細辛湯」、 頭痛を伴う時は「葛根湯加川キュウ辛夷」が効果的です。 風邪が熱を伴っている場合は、肺の虚熱をとり通鼻、排膿、滋陰作用のある「辛夷清肺湯」、 辛涼作用により清肺平喘の働きのある「麻杏甘石湯」を用います。 元来脾気虚がある人は花粉症にかかりやすくなったり、症状が悪化しやすくなったりします ので、治癒力の増進、体質改善を目的に「補中益気湯」や「六君子湯」を併用します。また 未病を治すという観点で長期服用も行ないます。 民間薬としては鼻閉や鼻汁に麻黄、辛夷、薄荷、眼の痒みや赤みに菊花、金銀花、桑葉、 頭痛や頭重に川キュウ、白シなどの生薬があります。(26・01・2004) ◎風邪の漢方薬 中医学では風寒の病邪が体表から侵入し、それが次第に体内、つまり裏に入るに従っ て、さまざまな風邪の症状を引き起こすと考えます。 初期の症状として悪寒・発熱・頭痛などがありますが、咳の症状がある時には麻黄湯、 頭痛や肩こりがひどい時には葛根湯を用いて発汗解表させます。一方、自ら汗ばむよ うな傾向がある時には桂枝湯、高熱が出てインフルエンザのような症状がみられる場 合には小柴胡湯加桔梗石膏湯、悪寒が非常に強くて咳や鼻水を伴う時には、麻黄附子 細辛湯で体の表裏全体から温めます。 風邪が長引いて病邪が表から裏に入るにつれて、胃腸障害などがみられるようになり ますが、この時期には小柴胡湯や柴胡桂枝湯などで半表半裏の邪を和解によって除き ます。解熱・消炎に加えて消化器症状にも効果的です。(12・11・2003) |
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