やさしい中医学講座

生薬散歩 
◎桃仁(トウニン)  
(13・11・2005)

   
 桃仁はバラ科のモモ、ヤマモモの成熟種子で、苦味、甘味があります。種皮は除いて搗き砕いて用いるのがよいとされています。
 中医学的には破血により血をめぐらせ、消炎に作用し腫脹を治し、うっ血による疼痛を緩和します。代表的な駆お血剤である「桂枝茯苓丸」や更に蓄熱を伴う証に用いる「桃核承気湯」、また経絡の滞血をめぐらせて関節や筋肉などの痛みを和らげる「疎経活血湯」の構成生薬のひとつです。
 潤腸通便作用があるので、大黄などと組み合わせて「潤腸湯」や「大黄牡丹皮湯」のように便秘薬として用いられます。
 但し、桃仁は産後の悪露停滞に有効な一方、妊婦には使用できません。


トウニン

中医一口メモ
◎肥満症の漢方薬
(13・11・2005)
 肥満症は食事療法や運動療法が基本となりますが、適切な漢方薬の服用はその治療を助け、より大きな効果をもたらすことができます。
 中医学では痰や湿、あるいは血の滞りが肥満に関与すると考えられています。飲食の不摂生やストレスによって脾胃が正常に機能しなくなると、脂質沈着や水滞、お血が生じ肥満になります。
 痰湿の停滞が原因の肥満、いわゆる水太りといわれるタイプでは「防已黄蓍湯」で余分の水湿をとり除きます。体表や胃など全身的に熱がある脂肪太り、中年太りでは「防風通聖散」で体毒を発散、排泄します。上腹部に圧痛や膨満感があり便秘がちな、いわゆる固太りの人には「大柴胡湯」、お血が肥満の原因である場合には「桂枝茯苓丸」、さらにのぼせや肩こり、便秘がひどい人には「桃核承気湯」が効果的でしょう。

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